尖った案を出すには

 

~ 生成AIへの指示方法 ~

私自身ChatGPTをはじめとした生成AIツールを使いつつ、これまで他の方々と情報交換する中で特に興味を持っていただいたプロンプトの出し方をいくつかご紹介します。

尖った案を出す

生成AIは、大量のデータからアウトプットを導くという性質上、一般的な案しか出てこないという話があります。
確かに性質的にはそうなのですが、やりようはあります。
例えば以下のようなプロンプトがあり得ます。

  • ダイレクトに指示する:「尖った案を考えて」「Out-of-the-boxなアイデアを出して」「想像力豊かなアイデアを出して」などと指示すると、ダイレクトに文言そのままですが配慮してくれます。
    (現実的な要素も必要であれば、「創造性と実現性の両方に配慮した案を出して」のような内容もありです)
  • 制限をかけて別の言葉に置き換えたりひねったりさせる:例えばキャッチコピー作成時など、プロンプトには指示の他にも背景説明などを入れることもあると思いますが、「このプロンプトに含めたワードは一切使わないで」 のように制限をかけることで、ありきたりな回答を避けられることがあります。
  • 人間同様の発想方法を用いる:「逆張りの発想で考えて」「逆の立場から案を出して」など、これ以外にも人間がひねった案を考える時のアプローチは、生成AIでも同様に使えることがあります。
  • 独特な前提条件があれば伝える:事業企画などにおいて、自社のユニークな特徴や事業の独特な条件や制約があれば、それを背景説明に入れると、配慮して案を出してくれます。

嘘をつかないようにする

以前の記事に記載したように、要約をさせた場合、元データに記載していない情報が要約アウトプットに入ってくることがあります。
すべて検証しにいくくらいなら、ゼロから自分で要約した方が早いということにもなりかねません。
そこで、つまりアウトプットに入る情報を限定するような指示が有用です。例えば、

  • 参照データを限定する:「元データに含まれる情報だけを用いて要約して」「もし元データにない情報を要約回答に含める場合はそれを明示して」などです。

反論余地を探る

これは個人的に好きな使い方でもありますが、自身のアイデアや分析結果に対する、反論余地を探るものです。
例えばミーティング前の準備などに有用で、プロンプトは単純ですが、以下のような指示があります。

  • 「この案に対する反論余地を具体的に説明して」

エクセルファイルの処理

最後にプロンプトとは少し違いますが、エクセルについてです。
ChatGPTの有料版では、Advanced Data Analysisという機能があり、エクセルの読み込みや作成もできます。
しかしながら、現時点では、シンプルなシートと処理内容を除き正しく処理出来ないことも多々あります。
処理しやすくするために、まずエクセルシート自体をシンプルにすることが有効です。例えば

  • タイトル列は1行にする
  • 行の左端に項目タイトルがついている場合は1列におさめる
  • セルは結合しない
  • 左端と上端に欄外(空白の行または列)を作らない(タイトルや脚注などは無くても、シートのデータを読み込めば内容が分かるようにする)
  • 空白のセルを作らない

その上で、最初に指示する時、まずはAIにエクセルを読み込めるか尋ね、必要に応じて整形させることも有効です。
そしてその場合、ファイルが変に整形されたまま処理されるのを防ぐために、ChatGPT側で自動整形されたファイルをエクスポートして、内容を確認すると安心です。
それでOKであればはじめて処理を具体的に指示します。

とはいえ、ここまで出来ても複雑な処理は難しいかもしれません。(「複雑」の定義が何かというのはありますが...)
ただし今後のバージョンアップ次第では、こんなことを気にせずファイルアップロードしても、ちゃんとやってくれる日が来るかもしれませんし、そうなることを少し期待しています。

以上、手短ですがプロンプトのサンプルおよび切り口でした。