なぜ「コンサルタント専用生成AIツール」を開発するのか?

タイトルの問への結論を先に述べると、コンサルの方々はこのツールを懐に、
より多くのクライアントの一層の満足/興奮を引き出し、経済の成長をさらに牽引いただけると考えるから
です。

コンサルタントとして感じた課題

私自身、コンサルタントとして中堅・大手企業に計6年在籍し、その後個人コンサルタントとしても過去6年の間に数々のクライアントを支援させていただきました。
その中で、デリバリーをする立場として感じた課題があります。

  • 業績(量)の観点:
    • 自分の時間制約が、支援/提案できるクライアント数やプロジェクト規模を制限してしまう。
    • アシスタント(アナリスト)がいれば助かるが、優秀なアナリストを潤沢に雇うのは難しい(人気の大手ファームでもなければ、ましてフリーランスにとっては一層)。
    • 仮に雇えても、自分専属で四六時中、必要な時にいつでも稼働してもらうのは無理
  • 価値(質)の観点:
    • 当然価値の高いアウトプットを追求するが、大量の情報の読み込みや整理をはじめとした業務時間も多く、丁寧にクライアントをフォローしたり戦略の練度を上げたりといった付加価値の高い業務の時間が圧迫される。
    • 仮説や戦略の練度を上げたり、クライアントミーティングに備えてシミュレーションしたりする際、都度壁打ちしてくれる仲間がいると良いが、みんな忙しいので機会は限られる(フリーランスの場合はそもそもそういう仲間が乏しいことも)
    • (特に若手の頃の感覚として)仮説や分析の内容を先輩に共有する前に、クイック&ダーティが基本とは言え、出来ることならもっと精度を上げたい(もちろん先輩側としてもその方が嬉しい)

汎用的な生成AIツールを試して感じた課題

そんな中、生成AIが急速に発展してきて、コンサルの仕事も奪われてしまうのでは、と言われるようになりました。
そこでまずは、自分自身で生成AIを用いてもろもろの業務を実施してみました。

結果、ChatGPTをはじめとした汎用的な生成AIツールでは、課題があることが分かりました。

  • まずは言うまでもないですが、情報セキュリティです。入力出来るデータが公知情報だけになってしまっては、用途は限定的です。学習をオフにすることはできますが、それだと履歴が残らないなど、利便性が制限されます。
  • 次に質の問題です。ここでは2つ観点があります。
    • 一つ目は、ビジネス用、さらにリサーチや分析、戦略立案用に作られていないので、有益なデータが参照できず、正しく読み込めません。これでは、例えばトレンドを踏まえた深い競合分析などには限界があります。
    • 二つ目は、プロンプト、いわゆるAIへの指示の出し方です。生成AIは、一問一答ではなく、対話を通じて内容の深さ・広さ・精度を向上していくことができます。そんな対話を進めるには、文脈を踏まえ、どんな目的でどんな指示を出すべきかを研ぎ澄ます必要があります。しかしそれを熟考するのは面倒ですし、本来コンサルタントが時間を使うべき作業ではありません

コンサルタントのための生成AIツールのアプローチ

そこで、汎用型生成AIツールのこの課題を解消できれば、冒頭のコンサルタントとして感じた課題を解決するひとつの武器が作れるのではと考えました。
その初期アプローチは以下の通りです。

  • データ保護への対応
    入力データが学習されない、つまり他の人達への回答に出てしまうことがない仕組みはもちろん、海外のサーバに情報が保管されないようにする、といったことも可能です。
  • 最新の業界・企業データの活用
    決算資料や、業界レポート、ニュースなど、ビジネス用途、そしてコンサルタントのリサーチや分析に役立つデータを事前に読み込みんでおきます。
    さらに、よくあるデータ整理のケースにも対応できるように、順次開発を進めます。
  • プロンプトの自動ガイド機能の追加
    文脈に沿って、次の展開に役立ちそうな指示内容のテンプレートを自動提案します。
    例えば、ある情報収集が完了したら、「その中から◯◯に影響するデータを抽出し、◯◯の切り口で構造化してください」「◯◯を目的に、情報を◯◯のフレームワークで分析し、◯◯のかたちで可視化してください」といったテンプレートが自動提案される具合です。
    これにより、プロンプトを考えるストレスから解放され、対話を通じてアウトプットの質を向上できます。

これを自分の専属アシスタントにできれば、

  • 時間制約が緩和され、新規の提案を増やしたり、より大きな案件に取り組んだり、
  • 高付加価値な業務により注力したり、
  • いつでも必要な時に壁打ち相手として活用しアウトプットの練度を上げたり
  • 若手にとってはそれがひとつのOJTになったり

といったことが可能になるとイメージしています。

以上、本ソリューション開発の背景にある私の思いです。ご覧いただきありがとうございました。
私自身、コンサルティングという仕事に誇りを持っていますし、コンサル業界は世の中の成長・進化を一層牽引していけると考えています。
そしてAIは少なくともまだまだコンサルを不要にできるものではなく、さらに価値を高めていくものであり、コンサルの仕事をよりおもしろくするものでもあると思います。
その一助となるべく、ソリューション開発側としての価値を追求してまいります。

ご質問やご意見などございましたら、お気軽にお寄せください。